2010年11月13日
陽だまりクラブ
「お父さん!お父さん!」
モウロウとした意識の中で妻の声を聞いた。
「お父さんしっかりして・・・。」
私が、気がついたのは病院のベッドの上だった。
「あなた。よかったわ。」
妻の泣きつかれた顔を見たときにようやく記憶が戻った。
私は、大手ゼネコンに37年尽くしてきた。そして、来年が定年という時に、大物政治家の絡む、談合の責任者として矢面に立たされたのである。
毎日の厳しい取り調べに、私は精も根も尽きてしまい、全てを話さざるをえない状態に追い込まれた。
私は、悔しかった。「なぜ、来年が定年退職という時に!」
でも、辛いのは釈放されてからだった。新聞記事に載ったお陰で、我々の家族に対する回りの目は、明らかに冷たかった。
妻には、誰も挨拶もしなくなり、あちらこちらで陰口を叩かれた。また、娘家族も幼稚園のお母さん方から、明らかにわかる無視や陰口、孫のお友だちも親から、言われているのか、誰も口を利かなくなった。
寝ているときに、窓ガラスに石を投げられたり、玄関にゴミを撒かれるのは日常茶飯事だった。
そんな中でも、「お父さん。心配しなさんな!私の辛さなんて、お父さんの悔しさや辛さに比べたら大したことはない!」と妻はいつも笑顔を浮かべていたし、娘は娘で、「私は、幸せ過ぎたのよ!だから、神様が『これでは、いい人間になれない』と心配して、私に課題を与えただけなの。だから、私も、娘の優衣も大丈夫。」
私は、本当に辛かった、まだ、「お父さんの為に私達は辛い思いをしてるの!」と怒鳴られた方がどんなに気が楽か・・・。
私は無意識のうちに、台所に座り込み、包丁で両手首を切っていた・・・。
続く
モウロウとした意識の中で妻の声を聞いた。
「お父さんしっかりして・・・。」
私が、気がついたのは病院のベッドの上だった。
「あなた。よかったわ。」
妻の泣きつかれた顔を見たときにようやく記憶が戻った。
私は、大手ゼネコンに37年尽くしてきた。そして、来年が定年という時に、大物政治家の絡む、談合の責任者として矢面に立たされたのである。
毎日の厳しい取り調べに、私は精も根も尽きてしまい、全てを話さざるをえない状態に追い込まれた。
私は、悔しかった。「なぜ、来年が定年退職という時に!」
でも、辛いのは釈放されてからだった。新聞記事に載ったお陰で、我々の家族に対する回りの目は、明らかに冷たかった。
妻には、誰も挨拶もしなくなり、あちらこちらで陰口を叩かれた。また、娘家族も幼稚園のお母さん方から、明らかにわかる無視や陰口、孫のお友だちも親から、言われているのか、誰も口を利かなくなった。
寝ているときに、窓ガラスに石を投げられたり、玄関にゴミを撒かれるのは日常茶飯事だった。
そんな中でも、「お父さん。心配しなさんな!私の辛さなんて、お父さんの悔しさや辛さに比べたら大したことはない!」と妻はいつも笑顔を浮かべていたし、娘は娘で、「私は、幸せ過ぎたのよ!だから、神様が『これでは、いい人間になれない』と心配して、私に課題を与えただけなの。だから、私も、娘の優衣も大丈夫。」
私は、本当に辛かった、まだ、「お父さんの為に私達は辛い思いをしてるの!」と怒鳴られた方がどんなに気が楽か・・・。
私は無意識のうちに、台所に座り込み、包丁で両手首を切っていた・・・。
続く
Posted by NPO法人ポノポノクラブ at 21:50│Comments(0)│ブログ
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